抗がん剤

移行期のケア計画

ある段階から別の段階に移ることを移行といいます。

移行期のケア計画とは、ケアの各段階の間の移行を円滑にするための作業と言えます。
移行期のケア計画を立てておくと、がんの体験のさまざまな段階において、
がんのケアを中断せずに継続していくことの助けとなるのです。

患者さんが移行期特有の問題に直面するときは、ケア施設やがん治療の目標が変わるときなどです。
治療法や自身の病状、または経済状態や家族の要求、霊的もしくは宗教的信念、
雇用、生活の質などさまざまな要素の中でバランスを取りながら判断をしていかなくてはなりません。

適切なリハビリ施設の決定、必要なケアにかかる費用、特殊な機器の調達などの現実的な問題が発生してきます。
不安やうつ病などの精神衛生面の問題も考えられます。

移行期のケア計画をあらかじめ立てておけば、
こうした問題を明確にして対応することができるので、ケアを中断することなく円滑な移行を進めることができます。
こうしておくことで、患者さんとその家族にかかってくるストレスを軽減することができ、患者さんの健康状態の改善にもつながるのです。

移行期のケア計画には、患者さんとその家族の方々への支援や情報提供、支援団体や支援プログラムの紹介などが含まれます。
これらの理想的な形は、チームを組んで患者さんの担当となっている医療提供者が取り組むことです。
そして、チームで緊密にメンバー間の情報交換をすることや、患者さんやその家族の方にも情報交換のその場に参加してもらうことが重要です。

病状の変化により、がんのケアの目標が変わる場合もあります。
がんケアには、がんの治癒を目的とした積極的治療、病気の症状や治療の副作用、
社会的問題、心理的問題、霊性に関した問題などを治療・予防・解決することを目的とした支持療法、
症状の緩和や生活の質の向上を目的とした緩和療法などがあります。

各段階のケアは目標も水準も違います。
これらのケアの間の移行に適応していくときには、医療面・感情面・現実面などで問題が起こってきます。
移行期のケア計画は、このような問題を抱えている患者さんの助けとなるのです。